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施設長 コラム 「高齢者に多い骨折」 文責:小出弘寿
9月になりましても、なお厳しい残暑が続いておりますが、皆様お変わりはございませんでしょうか。今回のコラムは、「高齢者に多い骨折」について、お話ししようと思います。
高齢者が骨折する原因のほとんどは「転倒」です。高齢者は、加齢に伴い骨が脆弱化していくため、少しの外力が加わるだけでも骨折を起こすことがあります。そして、骨折を起こすと長期間の安静が必要となり、そのまま寝たきりとなってしまう方もいらっしゃるため、リスクの高い病気のひとつです。転倒による骨折では、主に4つの部位を骨折するケースが多いです。
まず一つ目は、太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)で、転倒によって起こります。寝たきりになってしまう方も多く、社会問題となっています。
二つ目は、背骨の骨折(脊椎圧迫骨折)です。尻もちをつくことで起こることが多いです。
三つ目は、腕の付け根の骨折(上腕骨近位部骨折)です。転んで肩を直接打つことで起こります。
四つ目は、手首の骨折(橈骨遠位端骨折)です。転んで手をついた時によく起こります。
こうした骨折の予防には、運動や栄養、そして、骨粗しょう症の方の場合は、内服等による治療に取り組むことが大切です。また、日頃から転倒しないようにする住環境整備も大切になってきます。ご自宅の中でちょっとした段差に目印を付けたり、玄関の上がり框に簡易手すりを設置したり、物の配置を変えたりと様々な工夫と対応が可能です。
当施設では、デイケア、デイサービス、訪問リハビリに国家資格を持ったセラピストを配置しています。ぜひ、転倒予防のための住環境整備について、担当セラピストに相談してみて下さい。
高齢者の骨折は、QOL(生活の質)を低下させ、また、寝たきりになった場合は、認知症を発症する可能性も高くなります。ぜひ、皆さんは、運動や住環境整備を行い、骨折しない生活を心がけてください。